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電気工事士の計算問題は、公式を丸暗記しなくても解ける。この記事では、第二種電気工事士の筆記試験に出る計算問題を「考え方のコツ」で攻略する方法を解説する。
計算問題は全体の約20〜25%を占める
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2026年版の第二種電気工事士筆記試験は全50問。
そのうち計算問題は例年10〜12問出題される。
合格基準点は60点(30問正解)。
計算を全捨てすると、残り38〜40問で30問を正解しなければならない。
正答率にすると約75〜79%が必要になる。
これはかなり厳しい数字だ。
計算問題を5〜6問だけ取れれば、合格がぐっと楽になる。
出題される計算問題のジャンル一覧
| ジャンル | 出題数(目安) |
|---|---|
| オームの法則(電流・電圧・抵抗) | 2〜3問 |
| 電力・電力量・熱量 | 1〜2問 |
| 合成抵抗(直列・並列) | 1〜2問 |
| 電圧降下・幹線の太さ | 1〜2問 |
| 最大電流・過電流遮断器 | 1問 |
| 力率・交流回路 | 1〜2問 |
公式を使わずに解くとはどういう意味か
「公式なし」とは、丸暗記をゼロにするという意味ではない。
たった1つの関係式を体に染み込ませ、あとは変形して使う、ということだ。
その1つとは、V=IR(電圧=電流×抵抗)だ。
この式を三角形に書いて覚えると、3パターン全部が見える。
【V・I・R の三角形】
V = I × R(電圧を求める)
I = V ÷ R(電流を求める)
R = V ÷ I(抵抗を求める)
これだけ覚えれば、オームの法則の問題はすべて解ける。
合成抵抗の解き方|直列と並列の考え方
📖 参考書・テキスト
直列接続はただの足し算
3Ωと5Ωが直列につながっているとする。
合成抵抗は 3+5=8Ω。
直列は「抵抗が増える」と感覚で覚える。
ホースを2本つなぎ合わせると長くなる、というイメージだ。
並列接続は「逆数の和の逆数」
4Ωと4Ωが並列の場合、計算式は次のようになる。
1/R = 1/4 + 1/4 = 2/4 = 1/2
R = 2Ω
並列は「抵抗が減る」と感覚で理解する。
ホースが2本並べば、水が流れやすくなるのと同じだ。
同じ値の抵抗が2つなら「半分」で終わり
6Ωと6Ωが並列なら、答えは 6÷2=3Ω。
これだけで計算時間を30秒は短縮できる。
試験では同じ値の並列が頻出なので、必ず覚えておく。
電力の計算は3つの式を使い分ける
電力の公式は P=VI だけ覚えれば良い。
ただし、問題の「与えられた値」によって変形する必要がある。
| 与えられた値 | 使う式 |
|---|---|
| 電圧Vと電流I | P = V × I |
| 電圧Vと抵抗R | P = V² ÷ R |
| 電流Iと抵抗R | P = I² × R |
「V=IR を代入して変形する」と考えれば、3つすべてを導き出せる。
暗記ではなく「構造を理解する」感覚だ。
電力量・熱量の計算例
問題例:1000Wの電気ストーブを3時間使った。電力量は何Whか。
電力量 = P × t
= 1000W × 3h
= 3000Wh(3kWh)
時間の単位は「時間(h)」で計算する。
分(min)で与えられた場合は60で割ってから使う。
電圧降下の問題は「ケーブルの抵抗」を意識する
電圧降下はこう考える。
電線にも抵抗がある。電流が流れれば、その分だけ電圧が落ちる。
電圧降下の公式
e = 2IR(単相2線式)
e = √3 × IR(三相3線式)
※ R はケーブル片道の抵抗値
単相2線式の「2」は、往復2本分の電線という意味だ。
図を書いて「行き」と「帰り」を意識すると忘れにくい。
具体的な計算例
電流10A、ケーブル片道の抵抗0.3Ω、単相2線式。
e = 2 × 10 × 0.3
= 6V
電源が100Vなら、負荷側では 100-6=94Vになる。
力率の問題は「cos θ」を数値で覚える
力率の問題は、交流回路で登場する。
難しく見えるが、出題パターンはほぼ固定されている。
よく使う数値は次の3つだけだ。
| 角度 | cos θ の値 |
|---|---|
| 0° | 1.0(抵抗のみの回路) |
| 60° | 0.5 |
| 30° | 約0.866(√3/2) |
有効電力は P = VI cos θ で求める。
例:V=100V、I=10A、力率0.8 なら P=100×10×0.8=800W。
計算問題を30分で解く練習法
ステップ1:問題文から「何を求めるか」を先に書く
問題を読んだら、最初に「求めるのはV、I、P のどれか」を書く。
これだけで思考が整理され、ミスが激減する。
ステップ2:回路図を30秒で描く
直列・並列の問題は、図を描くと一目でわかる。
丁寧な図は不要。□と線だけで十分だ。
ステップ3:選択肢から「桁が違うもの」を即消去
計算が合わなくても、選択肢を見れば絞れる。
例えば答えが「数十W」のはずなのに「5000W」の選択肢は消せる。
4択を2択に減らすだけで正答率は50%になる。
計算問題でよくあるミスTOP3
ミス1:単位を変換し忘れる
kW と W、分と時間を混在させるミスが多い。
計算前に単位を統一する習慣をつける。
ミス2:並列の合成抵抗を足し算してしまう
直列と並列を混同するパターン。
回路図を必ず描けば防げる。
ミス3:電圧降下の「2倍」を忘れる
単相2線式で往復の2倍を忘れると半分の値になる。
「往復」という言葉をメモに書いておく。
まとめ|覚えるべき核心は5つだけ
| 覚える内容 | 式・ポイント |
|---|---|
| オームの法則 | V=IR(三角形で覚える) |
| 合成抵抗(並列) | 同値なら÷2、違う値は逆数の和 |
| 電力 | P=VI(V・Iの三角形) |
| 電圧降下 | e=2IR(単相2線式) |
| 力率 | P=VI cosθ(数値は3つだけ) |
計算が苦手な人でも、この5つを使いこなせば6〜8問は取れる。
合格ラインの30問に到達するには、計算問題を「稼ぎどころ」にするのが最短ルートだ。
まず過去5年分の計算問題だけを抜き出して解く。
繰り返せば、パターンが見えてくる。