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工業高校・工業大学の卒業生や、認定電気工事従事者の取得者は、第二種・第一種電気工事士の筆記試験が免除になる場合がある。免除の条件・申請方法・注意点を完全解説する。
筆記試験免除とは何か
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電気工事士試験には「筆記試験免除」という制度がある。
条件を満たせば、筆記試験を受けずに技能試験だけで合格できる。
対象は主に2つのケースだ。
- 前年度の筆記試験に合格している者
- 特定の学校・資格の要件を満たす者
試験を実施する電気技術者試験センター(公式)が正式に認めた制度だ。
知らずに筆記試験を受けていた人は、次回から活用してほしい。
第二種電気工事士の筆記試験免除条件
免除条件①:前年度の筆記試験合格者
最も多いケースだ。
前年の筆記試験に合格したが、技能試験で不合格になった人が対象になる。
翌年度の技能試験のみ受験できる。
ただし、免除が有効なのは「翌年度1回限り」だ。
2年以上前の合格は免除にならない。
この期限を見落とすと、再度筆記から受け直しになる。
免除条件②:工業高校・高専の電気科卒業者
以下の学校の電気系学科を卒業した人は、筆記試験が免除になる。
対象となる学校・学科
- 高等学校・中等教育学校(電気工学科・電気科・電子科など)
- 高等専門学校(電気工学系学科)
- 職業能力開発総合大学校(電気系学科)
- 職業能力開発短期大学校(電気系学科)
- 職業訓練校(電気系学科)
ただし、卒業するだけでは免除にならない。
電気に関する科目を「規定の単位数以上」取得している必要がある。
具体的には、学校長が発行する「卒業証明書」と「成績証明書」の提出が求められる。
卒業後に学校へ書類を取り寄せる必要があるため、早めに動くことが重要だ。
証明書の発行には学校によって1〜2週間かかる場合がある。
免除条件③:大学・短大の電気工学科卒業者
4年制大学・短期大学の電気系学科卒業者も免除の対象だ。
対象学科は「電気工学」「電子工学」「電気電子工学」などが中心になる。
文系学部や機械系学部は対象外なので注意が必要だ。
こちらも卒業証明書と成績証明書の両方が必要だ。
電気に関する科目の履修実績が確認できなければ免除は認められない。
第一種電気工事士の筆記試験免除条件
📖 参考書・テキスト
前年度筆記合格者のみが免除対象
第一種電気工事士の筆記試験免除は、前年度合格者のみが対象だ。
第二種と異なり、学歴による免除制度はない。
これは見落としやすいポイントなので注意してほしい。
第一種電気工事士試験の難易度と合格率を見るとわかるように、第一種の筆記試験は第二種より難易度が高い。
前年度合格の権利は最大限に活用すべきだ。
認定電気工事従事者・特種電気工事資格者は免除対象外
「認定電気工事従事者の資格を持っていれば免除になるのでは?」という質問をよく受ける。
しかし、これは誤解だ。
認定電気工事従事者の資格では、筆記試験は免除にならない。
また、電験三種(第三種電気主任技術者)の資格者も、筆記試験そのものは免除にならない。
ただし、電験三種合格者は「試験科目の一部免除」を申請できる場合がある。
これは「全科目免除」ではなく「一部免除」である点に注意が必要だ。
18年の現場経験から語る「免除制度を使わない損」
実際に私が現場で若い電気工事士志望者と話していると、免除制度を知らない人が驚くほど多い。
18年の経験から言うと、工業高校・工業大学卒業者の約3〜4割が免除申請をしないまま筆記試験を受けている印象がある。
ある年、僕が資格取得の相談に乗った20代の後輩は、工業高校の電気科卒業だった。
彼は筆記試験の勉強に約2ヶ月間・1日平均1.5時間を費やしていた。
合計で約90時間の勉強時間だ。
後から「免除を使えばよかった」と言っていたのを今でも覚えている。
90時間は技能試験の練習に充てられた時間だ。
技能試験の練習時間が増えれば、それだけ合格率が上がる。
試験の申し込み前に必ず自分の卒業した学校・学科を確認することを強くすすめる。
筆記試験免除の申請手続きと必要書類
申請の流れ(2026年版)
申請の手順
- 電気技術者試験センターの公式サイトで試験申し込みを行う
- 申込フォームで「筆記試験免除」を選択する
- 必要書類を準備して郵送または窓口提出する
- 審査通過後、受験票が発行される
インターネット申し込みの場合でも、免除に必要な証明書類は郵送が必要だ。
書類の提出期限は試験申込期間内になる。
2026年の試験日程については2026年の電気工事士試験日程と申込方法で詳細を確認してほしい。
学歴免除に必要な書類一覧
| 書類名 | 取得先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 卒業証明書 | 卒業した学校 | 原本が必要 |
| 成績証明書 | 卒業した学校 | 電気系科目の履修が確認できるもの |
| 申請書 | 試験センターで入手 | 公式サイトからダウンロード可 |
前年度筆記合格者の免除申請に必要なもの
前年度に筆記試験を合格した場合は、手続きがシンプルだ。
- 前年度の筆記試験合格通知(または成績通知書)
- 試験申込時に「筆記試験免除」を選択
合格通知書は紛失しないよう大切に保管しておくべきだ。
紛失した場合は、試験センターへ問い合わせる必要があり、再発行に時間がかかる場合がある。
免除申請でよくある失敗と対策
失敗①:学科名だけで判断してしまう
「電気科を卒業したから免除になる」と思い込む人が多い。
しかし、卒業した学科名だけでは判断できない。
電気系の科目を規定単位数以上履修しているかどうかが判断基準だ。
同じ「電気科」でも、カリキュラムの内容によっては免除にならないケースがある。
必ず成績証明書を確認してから申請すること。
失敗②:書類取得が申込期限に間に合わない
卒業から年数が経過している場合、証明書の発行に時間がかかることがある。
廃校になった学校の証明書取得は特に難易度が高い。
申込期限の最低3週間前には学校へ連絡を入れるべきだ。
失敗③:免除申請をしたのに通常受験してしまう
申請が認められていたのに、当日の受験票確認を怠って筆記試験会場へ行ってしまうケースがある。
受験票には「筆記試験免除」の記載がある。
必ず受験票が届いた段階で内容を確認すること。
免除を活用した技能試験の対策
筆記試験が免除になれば、その分の時間を技能試験の練習に使える。
技能試験の合格に必要な練習時間は、一般的に30〜50時間と言われている。
試験まで2〜3ヶ月あれば、1日30分〜1時間でも十分に準備できる。
技能試験では「欠陥」と判定されると即不合格になる。
欠陥の種類と判定基準については電気工事士 技能試験の欠陥判定基準一覧で詳しく確認できる。
免除組こそ、技能試験対策に時間を集中投資してほしい。
また、練習には材料セットの準備が必要だ。
費用は選ぶセットによって変わるが、1回分の練習セットで5,000〜8,000円程度が相場だ。
複数回練習するなら、技能試験の練習セットを比較した記事を参考にしてコスパのよいものを選ぶとよい。
工業高校・大学卒業者が確認すべきチェックリスト
申請前に確認すること
- 卒業した学校・学科が対象になっているか
- 電気系科目の単位を規定数以上取得しているか
- 卒業証明書・成績証明書を入手できるか
- 書類の取得に何日かかるか(学校へ確認)
- 試験の申込期限より3週間前に動けているか
- 前年度筆記合格の場合、合格通知書を保管しているか
このチェックリストをすべてクリアすれば、スムーズに免除申請できる。
経済産業省 電気工事士資格制度のページでも、制度の概要を確認できる。
筆記免除後の学習戦略
筆記試験を免除で受けた人も、電気の基礎知識は必須だ。
技能試験は「施工できる」かどうかの試験だが、配線図の読み方を理解していないと問題に対応できない。
特に配線図の読み方は必ず押さえておくこと。
記号の意味・回路の流れ・接続方法の基礎については電気工事士の配線図の読み方入門で図解付きで解説している。
技能試験の対策を始める前に確認してほしい。
よくある質問(FAQ)
Q. 工業高校の電気科を卒業しましたが、卒業から10年以上経っています。今でも免除申請できますか?
A. 卒業からの年数に制限はない。卒業証明書と成績証明書を学校から取得できれば申請可能だ。ただし廃校や統廃合の場合は、都道府県の教育委員会や後継校へ問い合わせる必要がある。早めに確認することを強くすすめる。
Q. 昨年の筆記試験に合格して技能試験で不合格でした。今年は筆記試験を受けなくていいですか?
A. 前年度の筆記試験合格者は翌年度の技能試験のみ受験できる。ただし免除は「翌年度1回限り」だ。申し込み時に「筆記試験免除」を選択し、合格通知書を準備して手続きを行う必要がある。何もしなければ自動的に免除にはならない点に注意してほしい。
Q. 電験三種を持っていますが、第一種電気工事士の筆記試験は免除になりますか?
A. 電験三種の資格では、第一種電気工事士の筆記試験は免除にならない。ただし、電験三種の合格により「試験科目の一部免除」が申請できる場合がある。これは全科目免除とは異なる。詳細は電気技術者試験センターへ確認してほしい。
Q. 機械科出身ですが、電気系の授業も受けていました。筆記試験免除の対象になりますか?
A. 学科名が「機械科」の場合、基本的には対象外になる可能性が高い。ただし、成績証明書に電気工学系の科目が規定単位数以上記載されていれば認められるケースもある。まず電気技術者試験センターへ問い合わせて、成績証明書を持参して確認するのが最も確実だ。
Q. 筆記試験免除で受験した場合、技能試験の内容は変わりますか?
A. 技能試験の内容は、筆記試験免除かどうかに関係なく同じだ。同じ候補問題から出題され、同じ採点基準で評価される。免除受験者が有利・不利になることはない。技能試験の対策は通常受験者と同様に行う必要がある。
✍️ 著者プロフィール
電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。
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